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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■世界がちょっと広がる、そんな気分

■世界がちょっと広がる、そんな気分

このところ、「カツオづいている」。分かる人には分かるかも。


 実は、2年前に学校の1年生が
ぼくんち、海にいわしのいけすがあるんだー。」
って言っているのを聞いて
「え?何それ??」
って聞いていた。

 どうやら、沖にいけすがあって、そこで小さないわしを入れているみたい。それをカツオ一本釣り船が買い付けにくるらしい。

「え!それ見たい~」
と思っていたんだけど、なかなか勤務があったり、タイミングが合わなかったりでチャンスをつかめずにいた。

 夏季休業になり、時間に余裕が生まれたので、ここ1、2日ほどカツオの水揚げで有名な気仙沼港に行って船を見たり市場をみたりしていたのである。


 そうしたら、なんとなんとこのタイミングで
「明日、カツオ船、来ますよ!見にきます?」
とあの1年生(現3年生)の保護者の方から連絡をいただけたので、喜んで出かけたー(^^)。

 漁港にいくと、
おお!湾内にカツオ船が待機しているではないですか!!

  
 気仙沼港など大きな港では感じられない船の「大きさ」。
ああ、大きさって相対的なものなんだなあ…と実感。


 そのカツオ船に向けて、小さな船外機ボートで近づいて行くんですが…。
大きなそのカツオ船の右舷に横付け!

 海の上で、カツオ船を下から見上げる感じ…こんなアングルないよね…もう感激。
 カツオ船の甲板からは、(外国の方が多い)ロープとかいろんなものが下ろされて、そして、そこから船員さんも船外機ボートにジャンプとかして乗り込んでくる訳で。

 

 そこから、みんなでいけすの中の小いわしをバケツでくみ出してリレー方式でカツオ船の水槽に移していく、そんな作業。

 ○船は宮崎県日南市から
 ○この日の朝、気仙沼港に水揚げして、こっちに回ってきた
 ○いわしを積んだら、また沖に出る
 ○この時期、気仙沼港への水揚げが北限。
 ○獲れるときは獲れる、獲れないときは獲れない
 ○沖と港を行ったり来たり。間隔はいろいろ
 ○いいときは1週間で1億円

 

 船員さんにあれこれ聞いていたら、
 その後、
「カツオ船にあがってきてもいいよ!」
と言ってもらえたので、喜び勇んで船に!

 そこで、水槽を見せてもらったり漁労長さんと話をさせてもらったりー。

 


 いやあ、どきどきわくわくだなあ~。


 今まで、5年生の社会科とかで漁業を扱うこともあり、その中で「カツオ漁」のことなんかも「教えたり」したこともあった。

 ああ、でも、もう「教えられない」なあ、とも思った。
  
 
あまりにも知らないことが多いことに気付くから。私が「カツオ漁」について教えるなんて、そりゃあ無理。知らないことがまだまだたくさんありそうだ、ということを感じられるようになったから。

 知識としては新しいことがそんなたくさんあったわけではないかもしれない。どれも「知っていた」と言えば「知っていた」。でも、その「知っていた」が本当に「知っていた」かは、はなはだ疑問だな…と感じたってこと。
(ああ、こりゃあ、自分が知った顔して「教える」なんてできないよなあ…)
って感じた、そんなところ。
    
    
 ただ、
「カツオ船、カツオ漁にち少しだけ生で触れてみて、もっと知りたくなったんだよねー!」
「知った気になっては、もったいないないよなー、って思った。」
「だから、なぜ?、どうして?どうなってるの?」
「だから、なんかしてみるって、ほんと面白いよな~」
なんてことは、子どもたちに伝えることが前よりちょっとできそう。

 だから、前進ではある。


       
「今、あの第15事代丸、どこで漁をしているのかな?」
「カツオ、獲れてるかな?」
そんなことを、想像することなんて、この機会がなければきっとなかった。

       

 ああー、なんか世界がちょっと広がった、うれしい。

 

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