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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

「自信と勇気」

 閉校した雄勝町大須中学校の校訓は「自信と勇気」でした。現在は閉校してしまった大須小学校に震災後、私が勤めていたときに、その大須中学校は大須小校舎の2階にあったのです。
 その廊下に大きく「自信と勇気」と掲げられていたことが印象的でした。

 どうして、それを思い出したかというと。

 昨日の「雄勝小・中学校生活総合発表会」で、中学3年生は今まで取り組んできた「復興『輪』太鼓」、最後の演奏後のコメントから。

 躍動感のある、堂々とした演奏のその後、4人の中3生が短いコメントの中に込めたのは、きっとその「自信と勇気」だったような気がしました。

「私は、太鼓に出会う前は、人前に出るのに自信が持てませんでした。でも…」
「太鼓をたたくことで、自分に自信が持てるようになって…」

 その前の演奏が圧巻だったから、その言葉がまさに「生きて」聞こえます。

 現在の雄勝小・中学校。
 旧雄勝町内の雄勝小学校、水浜小学校、船越小学校、大須小学校、桑浜小学校、そして雄勝中学校、大須中学校。東日本大震災を経験したこと、また、かねてからの過疎化高齢化により、それらの学校が全て合わさり1つになった学校が、今。

 大須中学校の「自信と勇気」、雄勝中学校の「たくましく生きよ。」

 自信と勇気を得るために、太鼓をやってきたわけではないでしょう。「たくましく生きる」ために、でもなく。一生懸命やっているうちに、振り返って見れば、なんだと思いました。


 かつて、
「太鼓が総合的な学習の時間になるのか?」
「太鼓が学びになるのか?」
と言った人もいました。

 なると思えばなる、ならないと思っていればならないものです。

 そういうことなんだと思います。

 だから、そんなことはどうでもいい。

とにかく、15人のメンバーで演奏した太鼓は素晴らしかったし、それを見つめる小学生もまた多くいた、ということです。

 

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