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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■子どもたちのちからはすごいな

■子どもたちのちからはすごいな

 

 先日の体育は「長縄とび」でした。
 毎回、全校メンバーでの体育です。

 「ゆうびんやさん、でやるか、8の字跳びでやるか、自分が好きな方をやってみてね。」
と主担当の先生が、子どもたちに声を掛けました。私は
(T君はどっちを選ぶかな…?)
と見ていました。担任している1年生のT君は、つい先日に長縄の、いわゆる「ゆうびんやさん」が跳べたばかりだったのです。だから、心の中では
(「ゆうびんやさん」が妥当だし、多分彼もそっちを選ぶんじゃないかな…)
と思っていたのです。そうしたら3年生のMさんが
「ねえ、T君、どっちする?」
と聞いてくれていました。そうしたら、T君、
「こっち」
といって、「8の字跳び」の方を選択。
(なんと!)
と私は、びっくりしましたが、
(そっかー。どうなるかな~)
とも思って見ていました。

 すると、はじめの方こそは、タイミングがつかめなかったり回る縄が怖かったりで縄に入れずにいたT君でしたが、それでも、Mさん始め、いろんな友達がT君に声を掛けてくれて、あれ?って思う感じで、ぽんっと跳べたのです。
(お?おおおお??)

 その後は、自分でタイミングをはかりながら何度もチャレンジ。だんだん感じを掴んできたみたいでした。
 すごいすごい。応援してくれている周りの上級生も縄を回してくれている先生たちも大喜び。


 これ。跳べたかどうか、ということ以上に
 
①自分で入るタイミングを決めて、勇気をもって入っていったこと。それも何度も。
②失敗しても、縄が当たってちょっと痛くても、何度もまたやってみたこと。
③上級生の応援の中で、チャレンジし成功体験を味わえたこと。
④上級生と同じように一緒に楽しめたこと。

 ちょっとリスクを背負いながらも、自分のチャレンジを自分で決めて、自分で行動に移したこと。それを仲間の応援の中で味わえたこと。

 これは、「跳べた」「跳べない」、つまり「できた」「できない」ということではない、値打ちがあったなあ、と思いました。
 
 「やってみたんだね。」
 「何度もやってみたんだね。」
 「みんなも応援してくれたね。うれしいね。」

 そんなふうに声を掛け、肩をぽんとたたきました。

 そして。Mさんに
「ありがと!」
って伝えました。

 子どもたちのちからはすごいな。