次の場所へ行こう

本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

みんなと走ることで、楽しんで全力を出せるといいな

 勝ち負けを越えた楽しさだってあるよね、と思っていた。

 

とうか、勝ち負けを競うのが「徒競走だ」っていう意識?を一旦取っ払ってみたかったんだな。

 

 それは、毎年運動会シーズンになると、何人かの子は

「徒競走か…やだな…」

ってつぶやく姿を目にするから。

 

 そもそも、大勢の前でなぜ号令のもと、全員が走らなければならないのか?っていうのもあるんだけど。

 全力で走ることを純粋に楽しむ、走るも止まるも自分で決める、誰と走るかとか走る距離やコースさえ自分で決める、そんなのが本当はいいな。

(鬼ごっこ、最強だな!笑)

 

 

 でも、きっと多くの学校の運動会は「同じ学年」「同じ距離」「一斉スタート」で着順が付けられる、みたいになるわけで。

 それがいいって言う人もいても、もちろんいいんだけど。

 

 ただ、走るのが好き、楽しい、どうしたらみんなと楽しめるか、にやっぱりつながらないと体育や特別活動としての「運動会」になりにくいかな、と私は思っていて。

 

 今年の運動会本番では徒競走入場後、スタート直前に子どもたちが割り箸くじを引いてくみ分けをする、そんなことができた。

 

 あ、でも子どもたちには聞きましたよ。

「走るのが得意な人も苦手な人も、『あ、走るの、けっこう楽しいな』『みんなと走るのって楽しいじゃん』てなればいいと思わない?」

「全力をだす、って経験をたくさんしてみて欲しいんだ。それって他のことにもきっと活きるから。誰と走ったとしても自分の限界ギリギリで走ったなー、って気持ちに自分が慣れれば成功ね~」

「だから、そういう徒競走とそのための練習にしたいんだよね…。」

「どうしたらいいかな?」

「組み分けはどうするといい?」

「どんな練習だといいかな?」

みたいに。

やりながら。

 

 彼らが最終的に決めたのは、

「組み分けはくじ引き。そして走る直前!」

 

 

 見ていた保護者の方々からは

「お?くじ、引いてるぞ~」

「おもしろいー」

なんて声も聞こえてきました。けっこう意外だったみたい笑。

 

 まあ、そうかもしれません。だってスタートラインのところで子どもたちが割り箸くじを引き始めたから笑。

 

 

 子どもたちには、

「お互いが全力を出せるように、楽しめるように、練習の時みたいにスタート位置も変えていいよー」

と伝えてはいましたが、本番では彼らは同じスタート位置を選択していました。

 

 それもよし、自分で決めたのなら。

 

 「え?こんな徒競走でもいいんだ…」

「走るのが楽しい、を基準にするんだ…。速い遅いだけじゃないんだ。」

でもあり

「自分たちのことは自分たちで決めてもいい、そういう機会があったほうがいい。」

って体験をして欲しかったってことかな。

 

 だって体育であり特別活動だからねー。

f:id:motoryou:20210515085109j:plain