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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■~立場を超えてつながろう~ 

■~立場を超えてつながろう~ 

 今日は、「石巻から『不登校』という言葉をなくすための『不登校』シンポジウム」でした。
 私も、その実行委員の末席に加えてもらっています。

  1年に1回の開催。今回は、3回目のシンポジウム。
 今年のテーマは「立場を超えてつながろう」。

 実行委員(設立時からの)のメンバーは、フリースクール運営、児童館職員、通信制高校サポート校運営、議員、フリーランス、教員(わたし)。そこも、そもそも多様。立場はそれぞれ異なります。

 そして、いろいろな方々が力を貸してくださってのこの日。


 今回は、70名?くらいの参加者とともに、『不登校』というテーマで、みんなであれこれ話す時間になりました。参加者の方々も、小学生、中学生、保護者の方々。市役所職員さんや、教育委員会、教育事務所の方々。小中高の先生。民間の子ども支援団体の方々、SSW(スクールソーシャルワーカー)の方々、議員さん。
 各テーブルごとにごちゃ混ぜになって、席替えもしながら話し聴き合う場になりました。
 なかなか圧巻の時間。

 

 特に心に残ったこと。

 登壇してくれた小学生が、
「この会は、大人が企画してくれた場ですよね。こういう場を、僕たち子どもが企画してもいいんじゃないかな、と思って。やりたい。」
と話していました。

 なるほど、確かに。子ども企画の「不登校」シンポジウムか…。
 思いがけない言葉にびっくりしましたが、たしかに、それはありだな…と思ったのでした。


 実は今まで、このシンポジウムに学校の先生や教育委員会など、学校に直接関わる立場の方の参加はごく限られていたのでした。今回は、そんな立場の方の参加がぐっと増えた会になりました。ワールド・カフェのグループでも、「子ども、教員、保護者、支援者…」など違った立場で対話する場面も随所にあったようです。


 ある実行委員が言っていましたが、
「今まで、当事者の子どもや保護者が悩んでいることは直接耳に入ってくるから、そちらへの関心が向きがちな面もあった。でも、今回、学校の先生もたくさん参加してくれたことで、学校の先生も『自分のせいでもあるかも』って悩んでいる、そんな声を一緒に聴くことができたのはよかった。」
と話していました。

 そう、みんな、実はいろいろ考えているし、悩んでもいるんだよね。それをフラットに話したり聴いたりできる場が限られていたってことかもしれません。役割、立場という「服」を一旦脱いで、素で向かい合った時に、通えるもの、伝わるものが変わってくるのでしょう。


 閉会後、実行委員と最後まで片付けを手伝ってくれた参加者のかたと、サークルになって一言ずつ。
 「ここまでやれたね。」
 「ここまで、きたね。」
を振り返りつつ、
「さて、これから次のフェーズに向かおうね」
と話す、聴く、そんな時間がなんか、華やいだどきどきする時間でした。

 この時間が好きです。

 私は、
(イエナプランで言う「催し」って感じだな…)
と思ったのでした。

 ここまでのプロセス、ここからのプロセス。時々、「催し」。