■「アンケート」について考えること
年度末、だからか、いろいろな「アンケート」が多い。
出所が違うから、けっこう同じような内容も多いようだ。
アンケートに記入するときにいつも感じるのが
(とはいえ、この一言とか番号では伝わらないんだよなあ…)
ってこと。
例えば「よい」にしても「よくない」にしても、そこには一つ一つ背景、具体的な事実だったりがあるもの。だから
(単純に一言で応えられないなあ…)
と思ってしまいます。
子どもたちに書いてもらうアンケートもまたしかりで、一人ひとりがそう応えた背景にはまたいろんな事実や背景、思いがあるわけです。
アンケート集計って、多くの人数の傾向を知ったりするのには役に立つし、数値化もできるから扱いやすく「分かりやすい」ものにはなりのかな、と思います。一方で、数値や「分かりやすく」なることで、見えなくなってしまうことや見る、本来見るべき対象が(その人とか子ども、とか)を見なくなってしまうことってないかな、と心配にもなります。
またアンケート自体が目的化してしまったり、アンケートの数値や内容を都合良く解釈してしまったりなど。
人それぞれのエピソードや思いは目に見えません。その背景があっての「はい」だったり「まあまま」だったり「いいえ」だったりするわけで。その人自身に選択肢を選んでもらって(短く言語化してもらって)見える化する(聞いたことにする)ことで「分かった」ことにする。それはそれで広い範囲だったり膨大な人数だったりの傾向を知るのには役立つのだけど。
「分かった気になる」ことで、本当は複雑なものが限定化されてしまう気分。
現場では
(実際はどうなのか?)
(どういう背景があっても、これかな?)
をいつも感じようとしていないといけないな、と思います。
そこには観察と対話が必要。
「数字でこうだから、こうです」
「こう書いているから、こうです」
ではなくて。
そこから、じゃあどうなっているのかな?を感じようとしたり、見ようとしたり、対話を続けて行こうとしたり。そういうきっかけにするってことなんだと思います、アンケートって。
他には、アンケートの「問い」自体が?というのもある。そういうアンケートに答えないといけないもまた困ってしまうこともあります。