◾️日常は繰り返し、でもあるけれど。
今年最初の映画は、PERFECT DAYS でした。
https://www.perfectdays-movie.jp/
「ほとんど台詞がないよ」
と知人が言っていましたが、まさに。
静かに物語は、淡々と進みます。
日常の、いつもの、繰り返し。
朝起きて、歯を磨き、家を出る。
途中、
「住む世界が違うんだよ。」
という台詞があります。
ときどき映し出されるスカイツリー。
でも、平山さんの生活は、the昭和。
古アパートに、カセットテープに、缶コーヒーに、銭湯に、タバコ(これはラストシーンだけど。)
スカイツリーとは、むっちゃ対照的。最後まで交わることはないんだけど、それでも、その視線の先に、やはりあるんですね。
平山さんと関わる、いろいろな人。その誰にも、日常があり、日向も影もある。
一人一人のそれは、きっと世の中のうねりの中では、些細なことなのかもしれないけれど、それでも、お互いに、やっぱり影響し合っているし、それを信じたいな、と思いました。
平山さんが、なぜトイレ掃除をしているのか、それはなぜかは明かされなかったのですが、それでいいんだな、と思います。
「影って重ねると濃くなるのかな?何も変わらないなんて、そんな馬鹿な話はないですよ。」
平山さんの言葉ですが、多分、唯一出した彼の主張だった気がします。
誰かが誰かのために、何かをしている。ほとんどのことは、きっとそれに気が付けないんだろうな、と感じました。少し、切ないけれど。
「今度は今度、今は今」
重なり合わないかも、だけど、今を。
ラストシーンの、平山さんの表情の変化が印象的でした。