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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

◾️日常は繰り返しではあるけれど

◾️日常は繰り返し、でもあるけれど。

 

 今年最初の映画は、PERFECT DAYS  でした。

https://www.perfectdays-movie.jp/

 

  「ほとんど台詞がないよ」

と知人が言っていましたが、まさに。

 静かに物語は、淡々と進みます。

 

 日常の、いつもの、繰り返し。

 朝起きて、歯を磨き、家を出る。

 

 途中、

「住む世界が違うんだよ。」

という台詞があります。

 

 ときどき映し出されるスカイツリー

 でも、平山さんの生活は、the昭和。

古アパートに、カセットテープに、缶コーヒーに、銭湯に、タバコ(これはラストシーンだけど。)

 

 スカイツリーとは、むっちゃ対照的。最後まで交わることはないんだけど、それでも、その視線の先に、やはりあるんですね。

 

 平山さんと関わる、いろいろな人。その誰にも、日常があり、日向も影もある。

 

 一人一人のそれは、きっと世の中のうねりの中では、些細なことなのかもしれないけれど、それでも、お互いに、やっぱり影響し合っているし、それを信じたいな、と思いました。

 

 平山さんが、なぜトイレ掃除をしているのか、それはなぜかは明かされなかったのですが、それでいいんだな、と思います。

 

「影って重ねると濃くなるのかな?何も変わらないなんて、そんな馬鹿な話はないですよ。」

 平山さんの言葉ですが、多分、唯一出した彼の主張だった気がします。

 

 誰かが誰かのために、何かをしている。ほとんどのことは、きっとそれに気が付けないんだろうな、と感じました。少し、切ないけれど。

 

「今度は今度、今は今」

 重なり合わないかも、だけど、今を。

 

 

ラストシーンの、平山さんの表情の変化が印象的でした。