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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

「ちょっとこわいことは、たのしいってわかったんだもーん」、かなー


 学習参観日。
国語の物語文の学習。「人物どうしの関係を考える」というのがテーマ。

 授業は、「ダンプえんちょうやっつけた」ペアと「さっちゃんのまほうのて」ペアで、テーマについてプレゼンをする内容。

 ストーリー全体を通しての、主人公の気持ち(さくらとさっちゃん)を感情曲線を使って整理しながら、その大きな変化や状態を他の登場人物との関わりの中で説明したり一緒に考えていく。



 参観授業の前の給食中から、子どもたちは
「うーーー、学習参観やだ~!」
「だよね~!」
「おれ、もうプレゼン、5分で終わらせっからー」
「親来るとやだよね~、やりにくいー」
「先生!このメンバーだけでよくないっすか??」
などジタバタ笑。

「なーに、大丈夫だってー、始まってしまえば何とかなるからさ~笑」
みたいに受け流していたんだけど。

 それでも、どうやら本気で緊張しているみたい…笑。

 私の学習参観は「学習参加」だから、子どもも大人もじっと座って聞いている、なんていう時間はほとんど無いから、
(絶対緊張してる暇なんてないしー)
って思っていたんだけど、子どもたちは今年度初めてだから、そのイメージもあまりない。

 昼休みに、
「ほら、プレゼンの準備するぞー」
って言って、教室で場をつくっていたら、急にいいこと思いついちゃった!

 
(なんだ…、何回もプレゼンすればいいじゃん。)
(どっちも、みんなでしちゃえばいいじゃん。)
ってこと。


 準備しながら、
「いーこと、かーーんがえた!」
って言って子どももたちに、上記のことを伝えたら、
「えーーー!?」
だって。

 自分の担当した物語だけ、それも1回プレゼンして終わる、みたいに思い込んでいたらしい笑。
まあ、わたしも、授業構成も実はあまりきっちりとは決めていなくて。始まってから様子を見ながら適宜、程度に考えていたところ。

 あんまりあんまり、子どもたちが
「緊張する、緊張する」
なんて言ってるから、
(じゃあ、緊張する間もないくらいならいいんじゃね?)
て思ってそうしてみようかなと思いついたわけでした。
 


 教室に2つの場を作って、2人ずつの2グループ同時進行でプレゼン(4人の学級だからね)。保護者の方や、7年部の先生は入れ替わり立ち替わりくるから、その都度何度もプレゼンすればいいし、参観者が少ないときは、空いているペアももう一方のペアのプレゼンに加わる、ってことに。(全員両方の本は読んでいるしね。)

 子どもたちは、時には持っている本を保護者の方々と一緒に読んだり
「ここの場面なんだけど…」
「ここってね、まださくらが弱虫でいばっているところなんだよね、それでねー」
「刀で切られて、それで喜んでいるんだけど…、それは…」
なんて感じでプレゼン。
 なんだかんだ言いながら、やっぱり始まってしまえば彼らはやれるもんだな~。

(ほらね、できるじゃん。)

 時々、私もその中に混ざりたくなって
「ねえ、切られてうれしい、ってどういうことなの?」
「〇君にとって、主人公にとっての鍵になる人物って誰だと思うの?」
なんて聞いてみても、子どもたち、案外それに対応してくる。
「うーん、…。それはこう思うんだけど…」
とその場で考えて出てくる言葉が実におもしろい。

 なんだ、平気でしゃべってるじゃん笑。


 終わった後は、男子なんかは床に寝そべって、
「うー、つかれたー」
とか言っていたけど。でも、そこそこ、満足はできたみたい。よかった、よかった。



「まあ、1回経験しておけば、次は、平気になるよ~」
「ほら、『ダンプえんちょうやっつけた』のさくらみたいなもんじゃん。『だってこわいんだもーん、こわいことは、たのしいってわかったんだもーん』っていアレですな~」
ってことで。


 緊張する、緊張する、まあ気持ちは分かるけど、みんなと一緒に巻き込まれてしまえば、なんとかなるもんだ、そんな経験が1回できたから、まあいいんじゃないかなー。

 

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