■カシオペイアのことば
先日、何度目かの「モモ」読書。
今回は、モモのガイド役の一人、カメのカシオペイアの言葉が印象に残った。
「アナタガ ネガッタカラ!」
「ワタシガ ネガッタカラ!」
願うこと。
「ミチハ ワタシノナカニアリマス」
「オソイホド ハヤイ」
道は私の中にある。遅いほどはやい。
カシオペイアは、言葉を話すわけではありません。モモの問いかけに、いつでも応えてくれるわけでもありません。
でも、モモが不安なとき、困ったときに、その時にだけ彼の甲羅に文字が浮かび上がります。ほんの少し。
モモが問い返しても、詳しく説明することもありません。
「アナタガ ネガッタカラ!」
「ワタシガ ネガッタカラ!」
「ミチハ ワタシノナカニアリマス」
「オソイホド ハヤイ」
今回は、このカシオペイアの言葉がなんともしみます。
時間を司るマイスター・ホラはモモにこう言います。
「ことばがおまえの中で熟しきるまでには、それくらいの長いときが必要なのだよ。それだけ待てるかな。」
言葉が熟すためには……。伝わる言葉になるには時間が必要ってことなんじゃないかな。
「言葉が熟すまでの時間」。言葉と感覚、思考が一致する、それをそれを自分の中で認識できるまでの時間が必要なんだな。きっと「分かる」もその繰り返しかなあ。
「アナタガ ネガッタカラ!」
「ワタシガ ネガッタカラ!」
「ミチハ ワタシノナカニアリマス」
「オソイホド ハヤイ」