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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■カシオペイアのことば

カシオペイアのことば

 先日、何度目かの「モモ」読書。

 今回は、モモのガイド役の一人、カメのカシオペイアの言葉が印象に残った。


「アナタガ  ネガッタカラ!」
「ワタシガ ネガッタカラ!」

 願うこと。

「ミチハ  ワタシノナカニアリマス」
「オソイホド ハヤイ」

 道は私の中にある。遅いほどはやい。


 カシオペイアは、言葉を話すわけではありません。モモの問いかけに、いつでも応えてくれるわけでもありません。
 でも、モモが不安なとき、困ったときに、その時にだけ彼の甲羅に文字が浮かび上がります。ほんの少し。


 モモが問い返しても、詳しく説明することもありません。


「アナタガ  ネガッタカラ!」
「ワタシガ ネガッタカラ!」
「ミチハ  ワタシノナカニアリマス」
「オソイホド ハヤイ」


今回は、このカシオペイアの言葉がなんともしみます。

時間を司るマイスター・ホラはモモにこう言います。

「ことばがおまえの中で熟しきるまでには、それくらいの長いときが必要なのだよ。それだけ待てるかな。」


 言葉が熟すためには……。伝わる言葉になるには時間が必要ってことなんじゃないかな。
「言葉が熟すまでの時間」。言葉と感覚、思考が一致する、それをそれを自分の中で認識できるまでの時間が必要なんだな。きっと「分かる」もその繰り返しかなあ。


「アナタガ  ネガッタカラ!」
「ワタシガ ネガッタカラ!」
「ミチハ  ワタシノナカニアリマス」
「オソイホド ハヤイ」

 

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