■「ちゃんと聴くってどういうことかな?」
(オープンダイアローグ…)
聞いたことはあるけれど、それがどんなものなのか、はっきりとは知りませんでした。
ただ、「対話」については、近年、そして最近特にアンテナを張っている分野なので、
(これは絶対参加したいな…)
と思ったのでした。
講師は、森川すいめいさん。
ものすごく、ものすごく、ゆっくりとしたペースで始まりました。
(このペースで進むのか?)
すいめいさんの、丁寧で、慎重な語り口からは、一体誰が登壇者で誰が参加者なのかも分からない、そんな曖昧?な空気感。
「ゆる」がマイテーマな私は、
(おお、なんだろう、この“ゆるさ”は…。この“ゆるさ”でどこに向かうのかな…?)
(こんな“ゆるさ”、なかなかない…)
(ちょっと、この“ゆるさ”に身を委ねてみよう…)
そんなことをぼんやり感じた、そんなオープニングだったのです。
話すことと聞くこと(聴くこと)。
シンプルにそれを、ゆっくり繰り返す時間。
一応、目安の時間はあるものの、それも、「まあ、いいかんじで…」って感じ。
話すなかみも、きくことも、居方も、すべてこちらがわに預けられている、そんな時間。
(どんなふうに参加したらいいのかな?)
と最初感じていたことすら、途中でどこかにいってしまって、ただ、「ぼんやりと、話して、聴く」そんな脱力した時間になっていきました。脱力、といっても、頭の中ではいい感じでぐるぐる思っていたのですが。
もやもやと、ぐるぐると、言葉を選ぶ、そんな感じ。
自分のことを話し、そして仲間の話を聴く。それだけ。
すいめいさんは、場にいることはいるんですが、ほとんど介入はしません。
心に残ったことば。
「話したいこと、のごく一部が、言葉になって出てきます。そして、そこにはズレがあるんです。だから、ジャッジしないでくださいね。」
「今ここで出てくる言葉は、その人の全人生をかけた言葉。だから、それを真ん中において、宝物を扱うように…」
(ああ…)
人の話す言葉の捉え方が、がらっと変わる、そんな感覚。
ううむ。
「ひたすら聴く」そして「そこに居る」ってことの、次の世界をちょっとだけ垣間見られたような、そんな不思議な時間。
そんな「世界」もあるって、感じられたのは、(ああ…)って感じ。
そして、脱力しながら、ちょっとわくわくしている。
「ちゃんと聴くってどういうことかな?」
この問いを、すぐに結論を出さずに、自分の中に宙ぶらりんにしておきたいと思いました。
そういえば、オープニングの時の、すいめいさんの佇まいを感じながら、不遜ながら(あれ?こんな居方ができるようになりたいんだよ、私は。)
ってちょっと思ったんです、実は。
見えたら、感じられたら、少しはそこに近づけるかもな、とちょっと自分に期待しておこうと思います。
子どもたちに接する身として、そうあれたらいいな、と思うから。