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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■「ちゃんと聴くってどういうことかな?」

■「ちゃんと聴くってどういうことかな?」

 

 (オープンダイアローグ…)

 

 聞いたことはあるけれど、それがどんなものなのか、はっきりとは知りませんでした。

 ただ、「対話」については、近年、そして最近特にアンテナを張っている分野なので、

(これは絶対参加したいな…)

と思ったのでした。

 

 講師は、森川すいめいさん。

 

 

societe.in

 

 ものすごく、ものすごく、ゆっくりとしたペースで始まりました。

(このペースで進むのか?)

 すいめいさんの、丁寧で、慎重な語り口からは、一体誰が登壇者で誰が参加者なのかも分からない、そんな曖昧?な空気感。

 

 「ゆる」がマイテーマな私は、

(おお、なんだろう、この“ゆるさ”は…。この“ゆるさ”でどこに向かうのかな…?)

(こんな“ゆるさ”、なかなかない…)

(ちょっと、この“ゆるさ”に身を委ねてみよう…)

 

 そんなことをぼんやり感じた、そんなオープニングだったのです。

 

 

 話すことと聞くこと(聴くこと)。

 シンプルにそれを、ゆっくり繰り返す時間。

 

 一応、目安の時間はあるものの、それも、「まあ、いいかんじで…」って感じ。

 話すなかみも、きくことも、居方も、すべてこちらがわに預けられている、そんな時間。

 

 (どんなふうに参加したらいいのかな?)

と最初感じていたことすら、途中でどこかにいってしまって、ただ、「ぼんやりと、話して、聴く」そんな脱力した時間になっていきました。脱力、といっても、頭の中ではいい感じでぐるぐる思っていたのですが。

 

 もやもやと、ぐるぐると、言葉を選ぶ、そんな感じ。

 自分のことを話し、そして仲間の話を聴く。それだけ。

 

 すいめいさんは、場にいることはいるんですが、ほとんど介入はしません。

 

 

 

 心に残ったことば。

「話したいこと、のごく一部が、言葉になって出てきます。そして、そこにはズレがあるんです。だから、ジャッジしないでくださいね。」

「今ここで出てくる言葉は、その人の全人生をかけた言葉。だから、それを真ん中において、宝物を扱うように…」

 

(ああ…)

 

 人の話す言葉の捉え方が、がらっと変わる、そんな感覚。

 ううむ。

 

 「ひたすら聴く」そして「そこに居る」ってことの、次の世界をちょっとだけ垣間見られたような、そんな不思議な時間。

 

 そんな「世界」もあるって、感じられたのは、(ああ…)って感じ。

 そして、脱力しながら、ちょっとわくわくしている。

 

「ちゃんと聴くってどういうことかな?」

 この問いを、すぐに結論を出さずに、自分の中に宙ぶらりんにしておきたいと思いました。

 

 

 そういえば、オープニングの時の、すいめいさんの佇まいを感じながら、不遜ながら(あれ?こんな居方ができるようになりたいんだよ、私は。)

ってちょっと思ったんです、実は。

 

 見えたら、感じられたら、少しはそこに近づけるかもな、とちょっと自分に期待しておこうと思います。

 

 子どもたちに接する身として、そうあれたらいいな、と思うから。