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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

「思いやりってなんだろうね?」

 「思いやりってなんだろうね?」

というテーマで子どもたちとひなたぼっこしながら話しました。

 なかなか考えさせられることも多くて。

 

 子どもは「子ども」じゃないよね、とあらためて思った次第。

よく考えているんだなあ。

 

 もう、私もすっごく考えてしまった。私にとっても学び多き時間になったなあ。

 

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「思いやりって何だろうね?」
◯「うーん、自分のことしか考えていないのは『思いやり』がない、かな。」
◯「自分以外のひと、こと、もの、生き物のことを考えるのが、『思いやり』がある。」

「へえ、人に対してだけじゃないんだね。」
○「はい、人以外に対しても『思いやり』ってあると思う。」
◯「自分ことしか考えない人だとしても、でも、いつかは『思いやり』について考えると思うんですよ。大人になったら変わって人のことも考えられるようになったり。いつまでも同じではないんじゃないかな。子どもの時『思いやり』がない人も、大人になったらあったり…。そういうのもあるかも。」

「大人のほうが子どもより思いやりがある?」
○「うーん、そうともいえないけど。」
◯「大人になると何かしら変わる、声も変わるし、顔も身長も変わりますよね?同じように心も変わる。」
◯「だんだんと変わる、って感じかな…」

「そっか。だんだん、なんだね。」
◯「子どもより、大人の方が『思いやり』あるとも言えないかな…」
◯「子どもの方が優しい場合もありますし。」

「うんうん、そうだね~」
◯「思いやることは大切、でも…。」

「でも?」
◯「自分のことしか考えない、っていうのはよくないとは思うけど…」
◯「他の人のことを思いすぎて、自分のことを忘れちゃう?のもちょっと…」
○「自分のことを思いすぎる?他のひとのことを考えすぎる?どっちだ…??」
◯「思いやりすぎると、他の人のことしか考えなくなって…」
◯自分への『思いやり』、人への『思いやり』、どっちも必要なんですよね。自分のことを考えることも必要。」

「なるほど」
◯「人のこと『しか』とか、自分のこと『しか』、だとだめ。自分のことを思いやることも他の人のこと思いやることもどっちも。それが3つ目の道なんですよ!3つ目の道が思いやりに到着する道!
◯「自分のことでも人のことでも思いやりすぎると一つの道にはまってしまうんです!」

「それでそれで?」
◯「『しか』っていう間違った道に入ってしまうことってありますよね?!」
◯「それでなぜか自分や人を傷つけてしまうこともあるし…」
◯「『思いやり』のある人、ない人…。自分を我慢してしまうと後から「したかったんだけど…」になる。それは結局、損しかない。相手のことだけ思っても損なんだと思います。」
◯「でも『自分のことだけ』でも、損。『自分のことばっかり』って思われるのもよくないから。」
◯だから、どっちも!なんですよね。自分への『思いやり』も、人への『思いやり』も」

「たしかに!」
○「どっちも大切にする人は、失敗しても、いつかは『3つめの道』で、うまくいくんだと思います。」
◯「自分も相手も、どっちも思いやること。」

「そうだねえ。『思いやり』って増えたりしていくのかな…」
◯「うーん…。『思いやり』は増えたり、減ったりする、かな…」
◯「その人への思いやり、とかは減ることがある。」

「どういうこと?」
○「えっと…」
◯「『しか』の思いやりの人は、つまり「自分のことしか」とか「人のことしか」の人は、『思いやり』の相手が『全員』になっちゃうんです。『みんなは私のことを』とか『みんなにこうしてあげないと』みたいに。でも3つ目の道を考える人は、『思いやり』の相手が『その人』になっている…」
◯「そう!『しか』の人は結局同じ!なんですよ!誰かを傷つけてしまうか、自分を傷つけてしまうかの違いはあるけど、どっちも傷つけちゃう…。」
◯「3つめの道、つまり自分も人もどっちも大切にする人は、仮に間違えても、あとから成功すると思います。」

「なるほど…」
◯「だんだんわかってきた…」
◯「それぞれの思いやりは、違うんです。自分ことしか考えないのも、それはその人にとっての思いやり。自分への思いやり、みたいな。人のことばかり考えるのも『思いやり』なんだけど、それぞれ違った『思いやり』。」

「どうしたらいいかな?」
◯「思ったことをちゃんと相手に伝える、ってことかな。」
◯「大人になってからも大変ですよね?大人になると結婚とかもしたり仕事もしたり。」
◯「だから『時には』、ってことが大事なんだと思います。『時には』・・・する、『時には』・・・する、みたいに。」
◯「この前右行ったから、今度は左、とか…」
◯「『時には』っていうのは、どっちも、ってことなんでよね~」


「なるほどねえ!お?そろそろ給食だ。いやあ、すっごく考えたねえ!」
○「頭、疲れました~」

「あはははは、さ、ご飯食べよー」

 

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 さ、連休明けは、これ、読もう(^^)

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