次の場所へ行こう

本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■「温かい」ということと「あそび」

■「温かい」ということと「あそび」

 赤坂真二さんの投稿を拝見して、
(ああ)
と思いました。https://www.facebook.com/shinji.akasaka.7


 赤坂さんのことはお名前はもちろん知っていたのですが、直接の面識はありませんでした。友達のシェアで届いてきたのはとても運が良かったです。


以下、部分的に引用

「子どもたちが社会に向き合うときに,有力な武器は問題解決力としての学力と協働力である。そしてそのリソースとなるのが,自己を他者とのかかわりの中で肯定的に捉える情動的な力である。自己の肯定的な捉えは,競争や冷たい環境の中からは生まれてこない。教育機関はあたたかい環境であるべきだ。あたたかな環境で学んだ人たちを世の中に大勢排出しないとあたたかな社会など生まれようがないだろう。あたたかい人たちと話しているとあたたかなコミュニティ,また,そこにいた記憶をもっていることがわかる。
子どもたちを冷たい社会に冷たい教育機関から送り出すか,冷たい社会をあたためる力を育てて送り出すかは,そこに関わる人たちのちょっとした選択にかかっているように思う。」

以上。

 (リソース…。あたたかな環境、その先のあたたかな社会…)
そういう言葉に目がいきました。


 ホワイトボード・ミーティング®(https://wbmf.info/whatwbm/)の基本的な考え方の中に「心の体力」があります。

 

「心の体力」が「温かい」と人は自分の力を発揮して生きやすくなります。自分を信じて取り組むことができるし、ちょっと難しい課題にぶつかっても他者の力を借りる選択もできます。反対に「冷たい」ままで、何かやろうと無理をしても、事態を悪化させてしまうだけになったりします。
 人間ですから、心の体力が「温かい」ときもあれば「冷たい」ときもあります。だから冷えた心は温めないと。そのために「日常のコミュニケーションを豊かにすることが大事」になります。「あたたかい人」「あたたかい環境」ってそういうことだろうな、と思います。

 「心が温まっている人」は「冷えてしまった人」を温める(エンパワー)。そして、それは時間をまたいで相互に作用する関係。温め合う関係は「日常のコミュニケーションを豊かにする」ことで。


 子どもたちが育つ教育の現場は特に温かい場でないとならないでしょう。そして、その環境をつくる教員集団は、全体として「温まっている」ことが大切になるはずです。


 そうでないと、なかなか子どもたちを励ましたりサポートしたりできません。


 学校生活の中で、子どもたちが温かな関係性を構築し、その中で学んだり遊んだり(それは時に重なる部分も多いとは思いますが)した経験を毎日毎日少しずつ小さく積み上げていくことこそが大切になると思います。

 「温かい学校、学級をつくりましょう!」言ったところでできるものでもないでしょう。誰かが引っ張るのというのではなく、結果的に、「なんか、いい感じだよねー」「まあまあ居心地よかったよねー」「いい時間が過ごせたよね、けっこう満足」「ぼくたちけっこうやれたよね。」「また来年もがんばろう(^^)」みたいな感じで、1年間なり6年間なりを振り返られるといいなと感じています。

 理想そのものを口に出して掲げる、呼びかけることも必要ですが、それ以上に、日々の出来事をみんなで一緒に相談して考えて作って動いてみて…そうしてつないでつないで、っていうプロセスが、結果的に「よかったよね」になっていくのだな、と考えている。

 一緒に何かする。
 うまくいかなくてもいいから、お互いができることをできるようにしながら、一緒にやってみる。そこにコミュニケーションが生まれる「余裕」「余白」をつくる…。

 「あそび」

 何か大きなこと、特別なこと、をしたから、もしくはしなかったから…って言うのでもなく。毎日毎日を、何を大切にしてつなげていくか、つながるようにしていくか…ってことではないかな、と思います。

 私が心掛けたいことは、そういうことだな、と思いました。


 子どもたちが、学校生活を通して、
「ああ、自分はこの社会(学級、学校、地域社会…)の中に確かにいるなー、自分は一人じゃないなー」
と感じ取れるようになったり、感じ取れるようになるために今までどうしてきたのかが思い起こせるようになっていたり。そんなプロセスを組んで(子ども自身がつなげていく)いけたらいいな、と思います。

 その時、その1時間とか、この手法とか、そういうことに縛られることなく。


 それを「あそび」たい。

 

f:id:motoryou:20201216112523j:plain