先日は、地区の「複式学級担任者等研修会」に参加しました。
いい時間でした。お互いの取組や悩み、困り感を共有しながら、意見交換をする温かい場だったなあ、と思います。困りごとを話ながらも、けっこうみんな笑顔で話し、笑顔で応えていたんだなあ(^^)。
「複式学級はかわいそう」と言われることも多い。そして「例え、1学級の人数がさらに少なくなっても、なんとか単式(同一学年クラス)にできないか?」と考える場合も多いように感じます。
しかし、本当に「かわいそう」なのでしょうか?。複式学級だからこその利点は実は多いと思っています。例えば
○異年齢児童によって編成されているので児童同士の温かい関係を醸成しやすい。
○異年齢構成は、実際の社会の構成であり、社会性を育む上でより効果的である。
○異年齢で学習することで、下学年にとっては上学年の学習する姿を常時見ることで今後の学習の見通しが自然にできる。また上学年にとっては下級生の学習内容に再度触れる機会にもなり、既習内容を想起することもできる。授業の中で相互に関わり合う時間が十分保障されれば、その効果はより促進される。
○一般的に学級の人数が少ないことが多く、児童一人一人の存在感や役割が通常学級に比べて大きく、主体的協力的な態度が育ちやすい環境である。
○一般的に少人数のため機動力があり、状況や児童の興味関心に即した臨機応変な活動を行いやすい。
○学年の組み合わせにより毎年学級の構成が変化し、多様な関係の中で成長を促進できる。
○一人一人の児童の様子を見取りやすく、適切なアセスメントがしやすい。
○個に応じた学習指導が行いやすい。
※すべて運用によっては、だとは思いますが。
一方で課題はなんでしょう?例えば…
○下学年の依存心が強くなったり、上学年の負担が大きくなりすぎたりする可能性がある。
○異年齢構成が故の上下関係が生まれる可能性がある。
○教師が学年ごとの学習内容を直接指導しようとすると、そのための時間は少なくなる。その結果、児童が待たされる場面が生まれる可能性がある。
○学年ごとの学習内容が異なる場合、教師が指導しにくさを感じたり児童が学習に集中できなかったりすることもある。
複式学級(場合によっては少人数学級)のよさも課題も実は表裏一体であり、その
特性をどう捉えて強みにしていくか次第であると思います。一般的には、「複式学級ではなく単式で学級を編成できないか」と希望することが多いように感じます。しかしこのようによさや課題を挙げてみると、「よさ」のほうが際だっているように私には思えます。積極的に「複式学級」であることを生かしていくことで、子どもたち一人一人の人間的な成長に効果的につながって行くのではないかな、と感じています。
複式学級での困難さを感じるのは、児童よりもどちらかというと教師の側にあるのではないかな、と思います。それは、「異なる学習内容を(自分が全て)指導しないといけない」という意識から来るのではないでしょうか。しかし、考えて見れば単式学級であっても、児童一人一人の理解の仕方やペースは異なるので、本来単式学級であっても複式学級と同じ困難さを日々感じているはずです。本当は。
だから複式学級であれば、より「一人ひとりは異なる」という前提に立って、で
きるだけ個々にあった学習をデザインするよい機会だと捉えたいです。
もとろん、それは実は悩み多き毎日と向き合い続けることを覚悟しないといけないんですけど。
先日、あるベテランの同僚の先生が
「悩むのが仕事みたいなもんだから、あははは」
と言っていましたが、まさにまさに。
こういう先輩がいる職場は、やっぱり幸せです。
そうそう、一緒に悩みながら、子どもから学ぶことを楽しめばいいんですよね。「悩んでよい、悩む方がいい」です。
ほら、大人も子どもも「複式学級サイコー」ですよ(^^)。
まあ、そんな話をサークルになってわいわい話した、そんな研修会でした。楽しかったなー。
このつながりを、今後にむけて緩やかにつなげていけばいいんだよね。