ある物語を子どもたちと読んでいて。
こんなシーンがあった。
「たいくつかね。ねてばかりいるから、いつのまにか、おまえの目も白くにごってしまったよ。今日のジャンプなんて、元気がなかったぞ。」
おじさんがのぞきに来ていった。じんざが答えた。
「そうともさ。毎日、同じことばかりやっているうちに、わしはおいぼれたよ。
「だろうなあ。ちょっとかわってやるから、散歩でもしておいでよ。」
ここのところで、ふと、子どもたちに聞いてみたいことが浮かんだので、ちょっと尋ねてみた。
「ねえ、ここでのさ、おじさんの言葉なんだけどさ。」
「『だろうなあ・・・・・』って言ってるじゃない?ここなんだけどさ・・・」
「もし『そんなことはないよ、もっとがんばれるよ』なんてふうに励すことも考えられると思うんだけど、」
「君たちがじんざだったら、どっちの言葉がいいの?」
子どもたちは、けっこう、瞬時に
「そりゃあ、『だろうなあ。』のほうですよ~、だって…」
(そうか、やっぱりそうだよね…)
と思った瞬間でした。