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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

ウォッシャー!!!って感じ

  今年は1,2年生をみています。

 学区が広いので、子どもたちはバス通学。それで、低学年の場合は、バスに乗せるところまで教員が付くことにしています。

 

 バス停の前に小さい公園がありまして。

 そこに、小さな雲梯と滑り台が合体したようなものがあるんです。(ちょっと想像できないかもしれませんが…)

 1年生のAくん、はじめはその雲梯に登る3段ほどのはしごに登ることはするんですが、雲梯を掴んで自分の体を宙に浮かせるというか、自分の体重を足で支える状態から腕でぶら下がる状態に変える、そんなことが怖かったのでした。でも、なんか

(ぶらさがってみたい…)

って気持ちはあるみたいで、だから私に

(支えてよ!)

ってメッセージを送ってきます。なので、私もそのたびに、彼を支えて…ってことを続けていたんですね。

 あるときから、今度は、雲梯(長さにして150㎝メートル弱なんですが)の先にある、滑り台の踊り場にいく、という新しい目標ができたようでした。

 それで、今度は私に

(支えて、自分の足をあっちの踊り場に届かせてくれー)メッセージ。

 そころには、A君も、はしごからぴょんとやってちょっとの間、自分の体重を手で保持できるようになったので、私も、そこから彼のお尻を支えながら足を滑り台の踊り場に届ける、そんな手伝いをずっとしていたのでありました。

 

 ところが先日。

 ちょっと活発な、B君がきて、Aくんと一緒にそんな遊びを始めたんですが、B君、

「できるかな~?」

と言いながら、雲梯にぶら下がったまま、ぐいっと自分の足を引き上げて、直接(私のサポート無しで)滑り台踊り場の「終着点」へ!

 それを見たA君、自分もやりたい、と思ったのでしょう、今度はサポートしようとそばにいた私に

(下がって!)

と。とはいえ、私は

(まだ、無理でしょ~)

と思っていたので、下がりはしたものの、いつでも手が出せるところに。A君もまあ、若干心配だったのか

(それくらいでいい)

みたいな表情(笑)

 

 いくぞー、みたいな表情のA君。おいおい大丈夫か~みたいな私。

 

 びゅーん。

 体を前に振りだして、片足をがしっと「終着点」に掛けました。

わ!

(落ちるかも!)

と思った私が手を出そうとすると、

「待って!!」

と。そうはいってもやばいでしょ、と思った私は、まあ、彼に触らないようにして、彼のお尻の下30㎝に手を出し、セーフティネット

 

 A君は、そこから、ぐいっと手に力を込めて、お尻を下にした「弓なり」(でいいのか?)になった状態から、体を引き上げて無事、滑り台の踊り場に腰を乗せたのでありました!

 おお、Aくん2.0!!

 なんと!!すげー!!

 

 むっちゃ、うれしかったのでしょう、その後、本当に20回くらい、ヘトヘトになるまでそれを繰り返していたのでした。

「疲れたんじゃないのー?もうやめたら~」

って言ってもね。

  それに、私には、何度も

「下がって!」

と言いながら笑。

 

 あのときのAくんの顔、本当によかったなあ~(^^)。

 ウォッシャー!!!って感じ。

 

 

 子どもって、あるとき、突然、ひょいっと前に進んでいくんだなあ。

 余計な手伝いは、いらない、しない方がいいな。

 

 私以外、あ、一緒に見て喜んでくれたB君とS先生以外、訳分からん状況説明ですみませんー。