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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

呼び方の問題じゃないんだけど

 「ねえねえ、もっちゃん、あのさー」

 

私は、そんな感じで呼ばれて、話しかけられることが多いです。

 

 最初の頃は、

「もっちゃん、って呼んでくださいねー」

なんて自分から言うんだけど、

(え?そんなふうに呼んでいいの??)

なんて、子どものほうが遠慮する場合は多い。

 

 それでも、だんだん慣れてくると、そう呼び出す子がだんだん増えてきて、

(あ、やっぱりいいんだー)

って空気が広がってくるんですよね。でも、ここで、この段階で一つの壁が大概浮上します。

 「先生をそんな呼び方で呼ばせていいんですか?」

って意見。

 私のことをそう呼んでもらって居るだけで、他の先生にもそんなふうに呼んでもいいよ、って言っているわけでもないですし、実際子どもたちもそこはわきまえて私だけに使っているだけだからいいんじゃない?…とも思うんですけどね。今までの慣習からしたら

「ちょっと…」

と思われることも理解はできます。

 

 そういう風に呼ばれていたとしても、特段見下されているわけでもなく、子どもたちが横柄になるわけでもなく、他の先生に対する態度が悪くなるわけでもないので、そのままにしていると、自然と馴染んでいきます。

 

 もちろん、意見を無視する訳ではないので、必要に応じて

「あのさ、いろいろ都合もあるから、職員室内ではそれはなしってことで頼むね。」

と子どもにいうと、そこは察してくれます笑。

 

 私はなるべく他者とフラットな関係でいたい、という思いがあります。もちろん学校では「先生」という役割ではありますが、その「役割」からなるべく出たい、みたいな。それは役割を軽んじているのではなくて、役割を自分の外側に付けるのではなく中にしまい込みたい、みたいな気持ち。なるべく素でいたいから、あなたも素で接してきていいんだよ、みたいな感覚かなあ、と思います。

 

 それは、子どもたちだけじゃなくて、職員室の同僚の先生にも同じです。最低限の礼儀が大切にしますが、フラットに話したり聞いたり接したり。自分も構えないことで他者にも構えないでほしい、そんな感じでいます。

 

 「そんな呼び方で呼ばせていいんですか?」

に過剰に反発することもなく、かといって、素直に聞き入れることもなく、いい意味で曖昧にしてしのいでいると、子どもたちも職員室もだんだん、だんだん空気が柔らかくなっていくと感じています。

 

 誰もが、本来、居心地のよい空間で学んだり、過ごしたり、しごとしたりしたいんですから、それは自然な流れだよね、と思います。

 

 そして、それは、本当は呼び方どうのこうの、って話でもないことも分かります。