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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■『ああ、揃っていないからいいんだ…』

■『ああ、揃っていないからいいんだ…』

 

 今日は、明日にリハーサルを控えた、学芸会練習でした。

 演目の一つ、子どもたちのダンス。

 

 その様子を、この日見えていたスクールカウンセラーさんが見ていてくれました。

子どもたちが、演技が終わった後に、そのカウンセラーさんが子どもたちと私たちにコメントをしてくださいました。

 そのコメントは。

 

「私が学校の先生だったとき、ダンスというのは揃っているのがいいんだ、と思っていました。でも、今日、みなさんのダンスを見ていて、『ああ、揃っていないからいいんだ…』と感じました。そう感じられたのははじめてです。皆さんのダンスは、一人ひとり違っていてそこに自分らしさ、というのを感じることができたんです。同じじゃない、そのことのよさを皆さんの様子から感じられてうれしかった。皆さんは何より、楽しそうだった。」

 

 ああ、私はこのコメントを聞いて、本当に嬉しかったんです。

 私たちは、子どもたちに一言も、

「ここをこうしなさい」

「揃うように、ここをこのように」

などと、一度も言ってきませんでした。

 

 1年生から6年生までの全校で20人に満たない人数でやることもそうですが、それ以上に、「楽しい」を大事にしてきたからです。

「自分たちが楽しむことで、見る方々も笑顔にできるよね」

「だから、私たちが何より楽しく練習しよう」

とやってきたから。

 

 それが、伝わったのかな、と思って嬉しくなったのでした。

 みんな同じ、ではなくて、それぞれの色を出そう、みんなと一緒に自分のダンスを楽しもう、そういうふうにできたら、やっぱり楽しい。

 

 本番は、お客さんと一緒に楽しもうね。

 「楽しいね!」って気持ちを、みんなで揃えていけると、楽しいよね。