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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

分からない、まだできないを楽しむ

 ■分からない、まだできないを楽しむ

 

 先日、職員同士で「学芸会の振り返りミーティング」を行いました。

 

 「学芸会、どうだった?」

「印象的なエピソードはなに?」

「良かったことは?今後の課題って何かな?」

 

 そんな問いで、3~4人でトークをしながら、その後全体共有をする、そんな感じです。

 あ、学芸会主任への「愛のある一メッセージ」も一人ひとりから。(これってけっこう大事にしています)

 

 「子どもたちの表情がよかった、楽しそうだった」

これでもう十分だな、と思いました。そのことを、みんなで聴き合って確かめ合って、またみんなでがんばろう、でいいんだよな、と思います。

 保護者の方々が寄せてくださった感想を読ませていただいても、願っていることは

「我が子や周囲の子どもたちの楽しそうな表情、姿」

なんだと思いました。当たり前ですが。

 

 それ以上に何も望むことはないな、と。

 

 もちろん、「ああすればもっとよかった」「ここはこう改善するといい」はあるんだと思います。一人ひとりをつぶさに見れば、「100%楽しい」でもなかったでしょう。

「子どもたちの表情がいい」

と多くの方々が感じてくださったのなら、それをカバーしてあまりあるものかな、と思います。今後にまた活かしていけばいいなと思います。

 

 私なんかは、この「学芸会をみんなで楽しもう、成功させよう」ってことだって、「学力」って感じています。毎回、いろんな課題に向きあいますし、一人ではできないし、どうしたら自分もみんなも楽しくなるか、そして見に来てくれる人にも楽しさを感じもらえるか、などなど、そんなことへのチャレンジでもありますから。

 

 私の根っこにある「学力」観って、内田樹先生から多くを学んでいます。

blog.tatsuru.com

 

 だから、「できる」が大事じゃなくて「まだできないなあ」「どうしたらいいのかな?」が先にあるイメージ。そこが楽しめること。ああでもない、こうでもない、と試行錯誤をしたり、みんなで相談したり。そんなことを楽しみながら続けていけるイメージです。

 

 「学力」ってただ行ってしまうと、どうしても分かりやすいテストの「点数」で示されたものに捉えられがちになってしまったり、「できる」がよくて「できない」がだめ、みたいになってしまいがちです。

 

 まだできない自分を楽しめて、

「どうしようかな?」「どうしたらいいかな?」

が、学芸会みたいな行事が終わっても、ずっと楽しめたらいいんだと思っています。

 

 いわゆる、「勉強」の時間だって、子どもたちがうんといい表情になった居るときってあります。それは、どんな時?って考えれば、ねえ。

 

 ジャッジしない、一緒に面白がる、そこに自由な試行錯誤がある、ちょっと難しい…