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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■もう一人の自分

 

  道の駅硯上(けんじょう)の里おがつ。

 

 震災後にできた、巨大堤防の上に立地しています。

 そこにちょっと用があって出向き、テラス付近で少しだけ本を読んでいました。

(さて、帰ろう)

と席を立って、ふと外を見たら、4才か5才?くらいの男の子が、転落防止ようの柵のコンクリート土台にのって下を見ています。※柵は写真参照

(げげ…危ないじゃん!)

(え?声を掛ける?どうするどうする?)

と一瞬迷ってしまいました。

 

(近くにお父さんかお母さんがいるのかな…?)

と思って周りをちょっと見回しましたが、姿はないようで…。

 

 そうしているうちに、その子はコンクリートの土台から降りて、てくてく歩き出したので、ちょっとほっとはしたものの、私はなんとなく気になって、そのまま目で追っていました。そうしたら、その子、10mくらい歩いた後にまた,コンクリートの土台に上がってしまって。

 

(うわうわ…)

(え、どうするどうする?)

とまた一瞬迷ったものの、

(このまま落ちてしまったら、めっちゃやばい!)

 だって下まで10m以上あるんですから…、

 だから

「降りなさい、危ないよ。」

ってそっと声を掛けました。びっくして反応した危ないと思ったから。

 

 その子は、

「ごめんなさい」

って言って、そのまま走って行ってしまいました。

 

 

 ああ、でも、よかったなあ…。

 一瞬迷ってしまったけれど、そのままにしないで、本当によかったなあ…。

 でも、

(でも、大丈夫だよね…)

って言い聞かせて、立ち去ろうかと思った自分も、確かに一瞬いたんだよね。

 

 よかった、もう一人の自分が、

「まてまて!」

って言ってくれて。

 

 もう一人の自分を、たしかに認識したできごと。

 

 ※でも、構造上、やっぱり危ないよ…。