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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■ジャングルジム

■ジャングルジム

 

 放課後、バス待ちの校庭。

 

 私も暮らすのA君と一緒に校庭に出ました。S君は,私と追いかけっこをするつもりだったようですが、先に校庭に出ていた1年生のT君は私とS君に

「ねえ、ジャングルジムやらない?」

と声を掛けてきました。

 

(ん?ジャングルジムか…いいな)

 実はS君、ちょっと慎重派というか怖そうなことは苦手で、ジャングルジムも下から1段までしかのぼれなかったのです。

(今の流れなら、もしかしたら、その次に行けるかな~)

と思いました。

 というのも、S君、このところ上り調子、いい感じなんです。今までは慣れないこと、経験が少ないことには二の足を踏むことが多く、

「やらない~」

ってことが多かったのでした。しかし、最近は新しいことにも、ちょいちょい踏み出すような姿が見られるようになったり、

「○○、まえはできなかったのに、今はできるようになった!」

などと自分の変化にも気が付いてきたような、そんな流れの中にいたのです。

 

 なので、

(この流れで、ジャングルジムもいけるか?それにT君もいるしな!)

と。

 

 やっぱり最初は、1段目のところにしか上がろうとしないS君。

「こわいから、のぼらないよ」

と言っています。それで、T君は

「じゃあ、いい?ここにこうやってあがったら、ここをつかむの。分かる?見てて。」

などとコーチ。

 S君は、やってみようとしたり、それでも怖くて、降りちゃったり。そのたびにまたT君と何度かやりとりをしたり。またS君、こわくなって逃げちゃったり。また戻ってきたり。

 またまたT君とS君で、あーだこーだとやりとりしたり。

 

 私は、近くで、ただ見ていたり、笑っていたり、ちょっと声を掛けたり、そんな感じ。

 そうこうしているうちに、S君、二度三度、二段目に足を掛けようかどうしようか迷う感じでいたと思ったら、

 

 ひょい

 

と2段目にまであがっていました。

「おおおお!いけたじゃーん!!」

ってT君と私で大騒ぎでした笑。

 

 

 そのあとも、しばらくT君のコーチは続き、結局2段目を超え、3段目まで上がれるようになったのでした(3段目は1回だけですが、まあ十分)。

 

 S君、

「明日も、ジャングルジム、やるよ!」

ですって笑。

 

 

 私があれこれいっても、今まで、

「こわいからやらない!」

って言っていたのにね笑。

 

 子どものコーチは子どもがいいね。

 そしてタイミングがくれば、軽々次のステップにいくもんだな。