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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■特別な日、4月8日

■特別な日、4月8日

 

 4月8日。

 

 この日は、長い間、私にとっては特別な日でした。

 ちょっと高揚感と緊張感が入り交じる、そんな日。

 

 新学期のスタート、学校にとっては実質的な新年度のスタートだからです。

 

 しかし、今年の4月8日は私は、わりと「ふつう」に迎えました。それに気が付いた時が、今までで一番、

(あれ?そっか、もう学校の教員じゃないのか…)

って思った瞬間だったかもしれません。

 

 でも、でも、それとはまた別に、やっぱり特別な日になりました。

 

 

 

 磐梯町の「教育再デザインセンター」というところが私の新しい居場所です。そこで、「まちづくりの基本理念:『自分たちの子や孫が暮らし続けたい魅力あるまちづくり』」を、町の教育サイドから取り組む、そんな役割です。

 

 壮大ですが、夢があります。

 

もちろん、それは、誰かだけががんばって実現することはできないことです。

そして、それにはきっと「完成」「完了」とか「正解」もないでしょう。

 

 多くの方々と一緒に。

 多くの方々どうしで対話を重ね、試行錯誤を繰り返し、また対話し…。

 

 

磐梯町、なかなかいいよね!もちろん完璧じゃないけどさ、でも、けっこういいよ!

な?」

って町の人々が顔を見合わせて、

「んだなー」

って言い合えている、それがゴール(仮)かなと思います。

 

 もちろん、磐梯町のことをまるで知らない私が言うのも変なことは分かっているんです。今でも、そう感じる人も多いことでしょう。

 それは、「磐梯町」が「石巻市」でもそれは同じことで。

 

 それぞれが、自分が暮らすそのコミュニティが

「なかなかいいよ」

って言えること、そこってとても大切な気がします。どちらがいいとかでなくて、どちらもいいよね、そんな感じ?競争することではありませんから。

 

 これって学校でも同じで、

「1組より2組のほうがいい!」ではないし、「6年より5年がいい!」でもありません。もちろん「A君よりB君がいい」でもない。

 どの子も、その子らしく元気で学び続けていればOK。

 

 きれい事かもしれませんが、「いいコミュニティをみんなでつくる。どこもいいコミュニティにみんなでする」ってことじゃないかと思います。そして、その「きれい事」を「きれい事」って分かっていてもみんなで楽しく本気で目指す、そんなことじゃないかなあ、と思っています。

 

 学校でも、担任の役割って最後はそこですから。

 校長先生も同じ。

 

 

 

 さて、本日の再デザインセンター。大判のホワイトボードも2枚設置され、いよいよ本格稼働でした。

 ホワイトボードを前に、たっぷり2時間、メンバーであれこれ対話と協議と議論を重ね、時々

「あ!そっか!」

と興奮し、時々、

「あははは!」

と笑い、それこそエピソードを語り合い、知恵を出し合いました。

 

 実に楽しく充実した時間。

 

 

 きっと町の中に、そんな場は至る所に当たり前のようにあるはずです。

 そして、未来の町の創り手になる子どもたちが元気であれば、町も元気になるでしょう。

 

 言って見れば

「どんな学級、どんな学校だといいかな?」

「どんな町、どんな社会、どんな世界だといいかな?どう思う?」

そんな問いから出発して、みんなで

「では、こうしてみようか。」

「そうだね」

を楽しく繰り返していければいいのかな。

 

 

 まずは、一つの点として、それをセンターのメンバーがつくるコミュニティで。

 そして、まず共に活動してくださる方々と一緒に対話して相談しながらつくるコミュニティで。

 

 そんなスタートをした、そんな気持ちを高められた「特別な日」、4月8日。