ある方と「ホワイトボード・ミーティング® 基本的な考え方」である「心の体力」について一緒にお話する機会をつくりました。
特にこの時期だから、大事に丁寧に読み合いたいなあ、と思ったので。
今世間がコロナウィルス関連で様々な課題を抱えている中です。お互いに学校を現場にしている、という点では同じでも環境や現状は大きく異なる私たち。だからお互いのナラティブ(物語、解釈の枠組み)を共有した上で、少しでも気持ちが前に進めたらいいな、と思ってのもの。
テキストをお互いに交代交代で読んで、そのあと
「どこが気になった?」
「どこに注目しました?」
とお互いに問いながら対話。子どもたちに関する事、職場に関する事。困りごとももちろんありますが、その中でもめげずにちゃんとやれていることやかえって新しいものが生まれていることにも気が付きます。
お互いたいへんな中だけど、それでもその中に「ちゃんとやれていること」「よいこと」ってあるんだなあ、と思います。
お互いに、そして子どもたちも職場もいろんな不安がもちろんあるんだけど、
「それをお互いに聴き合うって、やっぱり大切にしたいよね。」
を確かめる時間にもなって嬉しかったなあ、と思います。
テキストの中で私が注目した箇所はここ。
「私たちは、『どうしたらいいのかが分からない』状態が長く続くと、『心の体力』が冷えて意欲を失います。『心の体力』が冷えたときは温めるのが先決です。冷えた心で物事を進めると余計な失敗体験を繰り返し、問題が余計複雑化、困難化してしまいます。」
この部分、まさにだなあ。
「どうしたらいいのかが分からない」そんな状態が長く続いたりしたした場合、「ほらこうすればいい」「こうしなさい」「教えてあげるから」…。対個人でも、集団としてもよくあること。それが「温める」ことになる場合も もちろんあります。
でもそこに「良好なコミュニケーション」ができる関係性がないと、残念な結果に終わることも多い気がします。
まずは「温めて」ほしいのだから。
温めるには「日常のコミュニケーション」。しっかり聴き合って、自己選択と自己決定を促す、そしてサポートする。うまく行かなかったらもう一度対話し、聴き合いながら、もう一回決め直す。その繰り返し。もちろん非常時にはトップダウンも必要な時は絶対あるから、それが有効に機能するためにも、やっぱりベースに聴き合う関係性があったほうが、やっぱりいいはず。トップダウンを下さないといけない立場の方だって、やっぱり不安だし心が冷えたりするのですから。
困っているときに、どうしたらいいか一緒に考え悩む。そして一緒に解決策を探る。
でも、でも。
考えて見れば日常の学校生活と実は同じなんだな、と気が付きます。(これは木村泰子先生の話を運良く聞けて、ああ…と思ったことです。)
「コロナ禍だから」
「コロナで今たいへんな状況だから」
「学校に子どもが来られないんだから」
確かに「特別な」状況かもしれません。
ただ、困りごとの中身は違えど、学校という現場は、毎日「特別な」ことが起こっているわけで、毎日その中で
「では、こうしようか?」
ってやってきたところでした。
なんだ、日常と変わらない笑。
「解釈」の問題なんですね。
大事なこと、大事にしたいことは、状況がどうあれ変わらない。
それは震災時に、私たちが学んだことでもあったはずです。
「コロナ禍でたいへんだ、どうしようもない」と解釈するか、「まあ、いつものこと。大事にすることは変わらないよ。」と解釈するか。
それによって、次が変わってくるなあ、と思います。
震災でいったん、そんな混乱期を経験しているところが、私たちの強みでもあります。
まあ、生きて体も心も元気にいられれば、次がある(^^)。
対話を通して「日常のコミュニケーション」を「聴き合う」ことで不安を軽減し、お互いに新しい「解釈」を引き出し合う、それが「温める」ってことかもしれないなあ。
職場でも教室でも同じだなあ。
さ、ゆっくり次を考えようっと。