次の場所へ行こう

本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■「やり直す勇気、もあるんだ。」

 音楽の時間に練習していた合奏曲。短い曲なんだけど、はじめは
「あー、うまくかないなあ…」
って彼らが言っていたのを知っていた。

 それでも練習してきて、だんだん上手になってきたわけです。
4人しかいないから、個々の楽器の演奏技能って、はっきり見える。よくも悪くも。
 器用な子もいれば、ちょっと楽器は…って子もいます。その4人で演奏するってことです。
そこにも意味がありますね。

 練習を始めた当初からみると、個人個人の技量も全体のバランスも、ずいぶん良くなってるのが分かる。
 
 だから。
「ねえ、せっかくだから、ミニ発表してみたら?しようよ。」
と声を掛け、実施することに。

 そもそも、今までも、そういう小さな発表会やミニプレゼンはどの学年もちょこちょこと手上げ方式で行ってきた経緯があるから、彼らも
(まあ、そういうもんだよねー)
っていうのはありましたから。


 昼休みが発表の時間だったのですが、
「朝も練習したい!」
って言うから、ホールに上がって、15分くらい練習。

 その日の音楽の時間には、音楽担当の先生と子どもたちと私で、一緒にリハーサルやら入場、退場の打合せ、練習。

 


 そしてお昼休み。下級生と先生たちが集まってくれました。

 ミニ発表スタート。司会は音楽担当の先生がしてくださいました。

 しずしずと入場した彼ら、一礼。そして演奏。
(あら…)
 どうやら、息が合わず出だしのリズムが揃わなかったみたい、さっそく演奏が止まってしまった…。
(どうする?)
って顔を見合わせた彼らだったけど、何やらアイコンタクト?して、再度スタート。そして無事に演奏することができました。

 一礼、たくさんの拍手をいただいた。そして退場。


 この後もなんかよかったんだなあ。司会の音楽担当の先生が、演奏が終わった6年生を舞台袖からフロアに招き入れてくれて交流の場をつくってくれました。演奏した6年生のからの一人一人の感想発表と聴いてくれた下級生からのコメントタイム。演奏後のほっとした表情の6年生と間近の下級生。いい交流の時間をプロデュースしてくださったことに感謝。

 フロアに降ろして行ってくれた、そういう場の作り方も、
(なるほど…)
だった。やっぱり音楽家


 放課後帰りの会のサークルタイムでは、
「今日のミニ発表はどうだった?」
というテーマでサークルタイム。

 クラスメートの中でやりとりする振り返りは、みんなの前で話すこととまた違って面白い。この振り返りは、ジャーナルに書く、というよりやっぱりみんなでおしゃべりしたい、そんふうに思っての時間。

 私からは、演奏後に音楽担当の先生が言ってくださった、
「あのね、やり直す勇気、ってあるのね。彼らはそれを、あそこでやったんだよね。(^^)」
という言葉を伝えました。

「ふーん!」
っていう表情の彼らだったんだけど。

 その後、私がごちゃごちゃ、と付け足し始めたら、
(ふぁ~)
とマスクの中で、あくびし始めて…笑

「こらーー、人が話してんのにーーー、あくびするなーーー!」
とか笑って、みんなで大笑いして終わりましたとさ~。


 あはは。

 

f:id:motoryou:20200514122550j:plain