■DASH村、ナノダ
事件が起こりました。
先日9日に子どもたちと田植えをした学校田んぼ。
今年学校浜に降りていく途中に、なんと校長先生がつくったミニ田んぼです。
12日朝、出勤すると、朝早くから来ていた先生が
「せんせ、洪水だ…」
と。
「??」
と思って尋ねてみると、どうやら11日夕方に突如ふった土砂降りのせいで、たくさんの水が田んぼに流入し稲が水没した、とのこと。
「なぬー」
と思って一人見に行くと、確かに…。
子どもたちが登校して、朝のサークルタイム。
「あのですね…事件です。」
子どもたちは
「は?」
「何?」
「実は…」
「マジですか!」
こういうときの私の直感って、けっこう自分の中では鋭いって思ってるんだけど(笑)
(あ、これ、なんかになるな…)
ってランプが確かについたんですよね。
それで、本当は1時間目は国語の時間だったけれど、これは「国語」をしている場合ではなくて、すぐに田んぼをみんなで確認しに行くのが「筋」だと。そうしたほうがきっと何かの学びにつながるはず、という確信。
こういう動きが速いのは、自分でもけっこう好きなところ笑。
「現場」をみんなで確認しにくと、植えたばかりの稲が見えなくなっています。
「えー、まじー!」
「沈んでるしー」
「あらら…」
「どうする?」
って私が尋ねると、
「んー、バケツでくむ…?」
と。
そういう返答は予想していなくて
(え?そうくる?)
ってちょっとびっくりしたんだけど、すごく面白そうだったので、実行することに。
校舎にいったん戻ってバケツを取りにくく彼らは駆け足で、なんか楽しそうに見える(笑)
うんうん、こういうときの「事件」って大変なんだけど、なんか楽しい…(違います?)
みんなで地道にバケツで田んぼの水をくみ出し、捨てます。「鉄腕DASHごっこ」
俺たちTOKIO笑
子どもたちは
「えー、よりによって白を着てきてしまった~」
「靴が汚れる~」
「うー、疲れる~」
とか言いながらも、声や表情は結構楽しそう。まあ、そんなもん笑。
「せんせ、なんか、やっぱ水減ってきましたよね!」
「俺たち、稲の恩人だよな~」
「ちょっとー、○くん、泥つけないでよね~!」
なんてあれこれ言いながら。
雨が降ったらどうなるか、どうすればまたこんなふうにならないか、今週の天気はどうなのか…などなど作業をしながら考えることは多い。
「台風とかやばくないですか?」
「んだな」
「例えばこれが収穫期だったらどうなのか?」
を考えると
「超やばいよね?」
って話になります。
「天気が気になりますよねー」
こんな体験(たった一度ではあるけれど)をしておくと、今度大雨が降ったときなどに
「農家の方はどうしているのかな?」
という想像力も働くことになる。リアルに。
この(少しでも)リアルに…っていうのが肝心なんだと思うです。
もちろん、農家だけの話ではなくて漁業だって何だって自然を相手にしている仕事はいつでもその影響をもろに受けるわけだなあ、とこんなところからも「分かる」度合いがアップするなあと思います。
続きの話。
2時間目は、算数。田んぼの水くみのあとってことです。
文字と式。
それぞれがそれぞれのチャレンジをする、そんな算数にも子どもたちは慣れてきて、ある子は教科書の問題に取り組み、ある子は
「プレテストプリントに挑戦しまーす」
なんてやっていたり。
2人組でやっているペア。
「ここは、こうなるでしょ?分かった?」
「ん?あー、分かった分かった!」
「ほんとー??」
「分かった」
「じゃあ、やってみてよ、これ。」
「えっとー、こうでしょ?」
「ほら~、分かってないじゃーん、もー、絶対○くんが分かるまで、教えるからねー!」
なんてにこにこやっている。
そんな様子を見ながら、聞きながら
「おいおい、○くん、君はなんて幸せなやつじゃ、友達にそんなこと言ってもらえるなんて~。感謝しろよ~笑」
とちょっかいをかける私。
授業ラスト3分前には恒例の振り返りサークルタイム。
「今日の算数、どうだった?」
それぞれちょっとずつコメントするんだけど、私が言ったことは
「ほら、今日の田んぼ水没事件の時にみんなでバケツで水をくみ出したのも、今こうしてみんなで算数をしたのも、実は同じ事なんだよね~」
ってこと。
同じ事なんだと思っている。
DASH村ナノダ。