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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

「悩むのが仕事」

 
 1学期最後の日。職員間の振り返り会議。
 ミーティングは短く内容豊かに対話的に、を理想にしています。
 お互いの思いや意見の背景を知ることで、考えの違いがあったとしても
(ああ、そういうことか)
って分かる部分もあるから。分かる部分があると、そこを受け入れて
(ではそれをどうやって活かしていこうかなー)
というアンテナが必ずメンバーには働くから。

 さて、1学期の振り返り会議。

「60分できゅっとやりましょう!」

 が目標。
事前に皆さんに書いておいてもらったものをまとめたものを資料として準備。それを事前に読んでもらっていただいた上に、その資料を基にこの時間で取り上げておきたい柱を管理職の先生方と2~3選定しておきました。

 その柱の1つは「授業づくり」。本校の場合、複式学級だったりまたは単式であっても1人の学級だったりと、いわゆる「ふつう」の学級とは異なる状況の中での授業づくりが求められます。
だから、やっぱり日々の授業の中では
(どうしたらいいかなあ?)
(この子たちにとってよりベターにするにはどうしたらいいかなあ?)
と日々試行錯誤している様子が、その事前に書いていただいた資料から読み取ることができました。だから、やっぱり1学期が終わったこの日には、お互いの授業についての思いや困り感を共有しておこう、その上で、
「1学期もそれぞれがんばったね!だから、2学期もがんばろー(^^)」
という雰囲気をみんなでつくりたい、ということに。

 一人ひとりの先生が、1学期を振り返って日々の授業についてチャレンジしてみたことや困ったこと・悩みなんかを話して行きます。
(なるほどなあ)
(分かる分かる)
(そうなんだあ)
なんて思いながら聞いていきます。

 そんな話を順番に聴いていきながら、あるベテランの先生の番になりました。その先生も話しながら今までうまくいかなかったこともエピソードも入れながら話して言ったのですが、
「特に困ったことってあります?」
の問いには、
「そうだなあ…。でもこの仕事、悩むのが仕事みたいなもんだからねー笑」
と。

 ああ、そうだなあ、「悩むのが仕事」。
その言葉で、どれだけ若い先生方が救われたかな…と私はホワイトボードにその言葉を書きながら感じました。


 お互いの困り感もエピソードも含めて共有しておく。その上で
「では2学期、どうしてみようか?」
について話し合いました。


 授業のことは、この話し合いで「解決」するものではありません。でも、お互いの思いや考えにある背景をいったん共有して、みんなで
「さ、次どうする?」「どうしたらいいかな?」
を確認し合えた時間をみんなで作ったことに価値があるな、と私は感じています。

 大事なのは話し合い(会議)よりも、話し合いと話し合いの間にそれぞれが何をするか、進めるか。そのための節になるのが会議の位置付けだな、と感じています。

 

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