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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

自分の「好き」を真ん中において

 夏休みの課題は、自分の「好き」を中軸に。

 

 「楽しい夏休みを!」と言いながら、「ねばならない宿題」がどっさりでは、なんかダブルスタンダードだよね、と思っていた。

 

 だから、夏休みは、「自分の好き、やりたい」がやれる期間になるといいなーと思っていた。だから、ここ数年は、「夏休みを楽しもう!チャレンジ16」なるものをやっていたんだけど。16の格子枠に、自分のやりたいこと、見たいこと、食べたいもの…などなんでも16個かいて、夏休み中にどのくらい出来るかチャレンジしてみるもの。これはコロナで休校になった時に、どなたかがやっていたアイデアを今も使わせてもらっているものです。

 

 夏休みの軽ーい「課題」みたいな扱い。宿題?

 

 

 今年はそういう感じのものが、学校全体になった、というのが個人的に嬉しい。

 夏休みの課題は大きく3つのカテゴリーに分けられます

 

1 学級全員がかならず行う課題(これは1~2)

2 自分の「好き」に関する課題(これは自分で決める)

3 子どもと担任が相談して決める課題(その子の学習課題に沿ったもの)

 

 2については、その子と担任が面談?っぽいことをして決めていきます。

「○くんの、好きなことや興味があることっていうと?」

 そんなことを聞きながら、5~8個くらい「すき」を出してもらって。そこから、

「夏休み、こういうことやてみようかな、やりたいな、やれたらいいなってことはある?」

と聞いたり。そんなやりとりをしながら2~3の「自分の『好き』課題を決める、そんな感じ。

 

 アニメが好きな子は「アニメに出てきた料理をつくってみるアニメ飯チャレンジ」だったり、生き物が好きな子は「つりをする!」だったり「虫を飼う!」だったり。1学期にたびたび、地図の模写を描いて見せてくれた低学年のあの子は、やっぱり「地図を描く」になったらしい。

 

 普段自分が好きでやっていることも、ちゃんと見てもらえる、承認してもらえるってことを大事にしたいな、と思う。家で大切に飼っている愛犬の世話をする、っていう子もいたな。

 それから、担任の先生みんなが子どもの「好き」を真ん中に置きながら面談する。「夏休み、何する?何したい?」

「おお!それいいね!おもしろい!」

「夏休みが終わったら、教えてね!」

「せんせーは、何するの?」

「せんせーはな、○○しちゃうぞー」

「えー!」

 

そんな光景がうれしい。

 

 

 夏休み中のフィードバックがしにくいから、どうなるか、結果は分からない。でも子どもが自分の「好き」を話しながら担任と夏休みの「宿題」をつくったことは、2学期以降にもつながっていくはずだな、と思っています。