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本川良です。生活綴方教育に刺激を受け、その後『学び合い』の考え方に出会いました。 「「教室・学校と地域コミュニティ」について考える日々です。「お互いが尊重し合う関係の中でこそ,人はそれぞれの強みを発揮できる。」と考え、まずは足下から緩やかにチャレンジします。ホワイトボード・ミーティング®認定講師、日本イエナプラン教育専門教員資格認定。現在は福島県磐梯町教育委員会教育再デザインセンターに所属しています。

■その気になるのを、ただ、待つ。

 ■その気になるのを、ただ、待つ。 

 

 体育、鉄棒。

 あ、そういえば最近「体育がきらい」という本を読んだけれど。笑

www.chikumashobo.co.jp

 

 うちの学校は、極小規模校なので、常に全校で体育をしているので、担任であろうがなかろうが、とにかく教員もみんなでサポートに入ります。

 

 「やだな、鉄棒…」

って言ってる子がいて。

「へえ、そうなんだー。いやなんだー」

なんて聴きながら。

「だってさー、ぐるんと回るのなんて怖いじゃん。」

「そっかー、そうかもー」

なんて聴きながら、いて。

 

「でもさー、あそこまでは、まあ、できそうなんだよ。でもさ、そこから先がさー…」

なんて言っていて。

 だから、

「ふーん、そっかー。で、やってみる?」

ってたずねてみたら、

「えーーーー、やだーーー、怖いしーーー」

って言ってる。

(あーー?でも、この表情と声ならいけそうだなあ?)

って直感があったので、

「え?いけるってばさ。じゃあ、そこのところ、ちょっと持っててあげるから。」

って言ってみたら、

「ええええーー」

っていいながらも、案外やってみる気になったみたい。

 もともと、やる気はあったんだよね。

 

 ほんのちょっとだけ支えたら、なんだ、できたね。

 その後は、何度もやってみていた。うれしかったね、いいぞいいぞ。

 

 

 

 体育が終わって、昇降口の下駄箱のところで、その子がある子と話していて、

「○○ができたんだー!」

「へえー、いいなあ、すごいじゃーん。いいなー」

「もっちゃんとやったら、できるよー」

なんて言っていて。

 

 あははは、いやいや、そうじゃなくて。

 たまたま、君がやる気になった時にそこにいただけなんだよね、ってこと。

 

 できるようにさせる、なんてことじゃなくて、「できるようになりたいな」って気持ちが高まった時に、ちょっとお手伝いしてみるだけでいいんじゃないかな。

 その気になるのを待つ、そんなイメージ。

 

 できるようなったほうが、絶対いいはずだ、だからこの時間(この期間)のうちにできるようにさせる…そんな構えで言ってしまうとあんまりいいことない気がします。

 

 できてもできなくても、本当はどうでもいいはず。だから、できるようになりたいな、って気持ちが高まるまで、待てばいいだけ、そんなふうに思っています。

 ただ待つのも、楽しいものです。

 

 だって「鉄棒が」できることが大切なわけではないと思うから。